今日はセミナーレポーター??
POSレジ屋が美容師向けセミナーに参加。田中優勝です。今日は・・・
「日本の美容業界の 『価値』を上げるヒント」になるかも?
そんな内容が盛り沢山のセミナーでした!!
会場で自撮りしているのは私だけ。。。
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美容師・美容学生向けセミナーに参加です。約10年前より長くお世話になっている中野の美容室CONCENTの、カミムラ社長にお招きいただきニューヨークで日本人美容師として大活躍しておられる、YUKI氏のセミナーです!!YUKI氏のプロフィールは→コチラ←
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YUKI氏の経歴をざっとお伝えします。
1985年サスーンカットに憧れ渡米。渡米前にイギリス・フランス・アメリカと迷ったが、当時日本の美容業界で「ビジネスの拠点アメリカ帰りで成功」という事例が無かったので、あえてニューヨークを選択する。英語も話せない状態でここがニューヨークか?と思うほどの地方サロンでの勤務を経て中心部のサロンへ。キャリアを重ねることで撮影・メディアでの活躍等の様々な経験を活かし、現在カット料金195$(約¥20,000)に設定し多くのお客様の支持を得ている。
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詳細を書けばキリがありませんが、ニューヨークで個人ブランディングに成功し、お客様のみならずメディアからの支持も高く今なお現場にて大活躍されていらっしゃる方です。(大雑把な表現で申し訳ありません。)
今回は、私としてはあえて客観的な視点からポイントを書いていこうと思います。
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まず第一に「日本の美容業界の価値を上げるヒントが多くあった。」と感じました。
主催のカミムラ社長からYUKI氏の紹介と同時に「ラーメンでもうどんでも、20年前より価格は上がっている。美容の技術も以前より上がっていないわけではない。むしろ若い世代は自分達以上に学び練習しているはず。ではなぜカット料金は上がっていないのか?自分をブランディングして価値を高めて価格を決めているYUKI氏の言葉を聞けることはそんな現状を変えるためにも有意義な時間になるはず。」という言葉からも多くのヒントを吸収できるのでは?と思いました。確かに、国として物価が上がっているのに、美容室におけるサービスの価値が対価として上がっていないのはおかしいのかも?
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ここからは美容師ではない私が下手にまとめてもしょうがないので、箇条書きでどんどん書いてみます。
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*海外の人の意見はハッキリしている。「私はこう思うけどアナタは(プロとして)どう思うの??」に答えられなければ次はない。下手するとカウンセリングの途中で帰られてしまう。
*人種の多いアメリカに比べると、日本人の髪質は近い人が多い。なので、海外での経験は幅広く対応できる技術が身についた。もちろん、髪質だけでなく文化も様々。対応力が大事。
*ニューヨークでは手取り足取り教えない。ビフォーアフターから如何に学ぶか?
*カラーリストがいるので、スタイリストはカットのみ。ということは、如何にカットの価値を高めるかを追求する。そこからカラーリストからの信頼にもつながりカラーリストのお客様からカットの依頼が来ることも多くなる。
*ダメージケアより、なりたいイメージ重視の傾向が強い。ただし、その場合はダメージに対する誓約書も記載の上で施術する。
*海外のお客様は、納得したことに対しての投資は惜しまない。YUKI氏はチップだけでも年間400万円に。1回¥50,000のチップを払うお客様もいる。対価によって「特別扱いするべきお客様である」と、認めさせている。
*日本で、長いキャリアのあるスタイリストがいつまでもカット料金を上げていない方がおかしい。サロンのトップが価格を上げればそれについていけないお客様はそのサロンの次のスタイリストに担当される。その循環を繰り返すことにより、サロンもスタイリストも成長し、お客様も良い意味で選別される。
*もし日本の美容室がこのまま同じくらいのカット料金で競争していくのなら、今以上に差別して個人ブランディングしていくべきではないか?
*スタイルもケアも接客も話し方も、全てがオーダーメイドであるべき。
*全てに合わせろと言っているのではなく「私に任せてくれたら〇○ですから!!」を明確に持ちつつも、オーダーにかなえられる技量を持っているべき。
*ニューヨークの物価上昇に応じてカットの料金を上げている。経営的にも個人的にも、そうあるべき。ただし、物価が下がったからといってカット料金は下げない!!価値を下げることは信用問題に関わるから。その時の価値として料金を上げているのだから下げる必要はない。
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まとまりなく書いてみました。
ここからはご質問に対しての回答編。
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Q:コンサルテーションの重要視点は?
A:自分が「こうすれば絶対良い!!」と言えることを具現化できることが大事。いくらお客様がやりたいと言ってもそれが格好悪い場合はハッキリ伝える。時にはそのやりとりだけで30分以上かかり次の来店で施術するしかない状況になることもある。ただし、そのカウンセリング時間にも対価を支払うお客様も多い。それだけ時間を価値ととらえてもらえるし、そこに自信をもつべき。
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Q:今の若い子の方が勉強も練習もしているはず。でもなぜ日本のカット料金が上がらないのか?
A:日本では国民性として「皆、国民中流」の傾向が強いのでは?例えば、サロン内でも格差をつけてみてもよいのでは?「サロンの平均カット料金は¥5,000でも私はこれまでのキャリアも含めて¥7,000で勝負していきます。」とか。
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Q:海外でも低価格のサロンや中流サロンはあるはずだが、今後どうなっていくのか?
A:中心部では家賃・物価高騰により低価格サロンは撤退傾向にある。地方なら中流価格でやっていけるかもしれないがクリエイターとして個人の価値を高めることと経営の両面で、低価格という方向は求められていない。これまでの傾向から見ても、数年後には日本でも同じ状況となるかもしれない。
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Q:日本では50代は現場主義ではなく経営者の傾向が強い。なぜ、海外ではプレーヤー傾向が強いのか?
A:オーナーになるよりも雇われている方が稼げる。そして、色々な理由はあるが文化の違いもあり個人として将来を確保する考え方が強い人が多いので、個人ブランディングの力が強いからだと思われる。
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こんな感じでQ&Aでも様々な意見交換が行われました。
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ここで私のまとめです。
重複する部分もありますが「美容業界の価値を上げるヒント」が多くあったと思います。特にカット料金については「キャリアのあるスタイリストが、何年経ってもカット料金が同じなのはおかしい。」これは日本でも変えられる可能性があるのではと感じます。現に日本でも「トップスタイリストカット」とか「オーナーカット」という料金設定もあります。これを一定のキャリアである程度カット料金が上がる仕組みを作れば、それについてこれないお客様でもそのサロンを気に入ってくれているなら、次の若いスタイリストに担当してもらうことでサロンに定着させることもできるかも?(お客様の思い等様々な問題はあるかもしれませんが、思いもお金もあるお客様が残るという選別かもしれません。)あくまで仕組みだけのお話ですので、技術・接客サービス等をより高め、料金が上がると同時に自分を高めていなければ実現はできないと思います。
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最後にYUKI氏の言葉です。
「自分がいるサロンを好きであるべき!!!そしてどうすればもっとサロンにもお客様にも良いことができるかを必死で考えて表現していくべき。オーナーもそれに応えるべき。そうすれば一つになった最もよい力になる。サロンが嫌いとか体制に文句を言うくらいなら辞めたほうがよい。」
「今日の話を聞いて何かやらなきゃ!価値を上げて、対価に変えて、料金を上げなきゃ!それができないと聞いた意味がないよ!」
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厚かましいことは承知の上ですが、これからの日本の「美容業界の価値」が少しでも上がるヒントになればという思いでまとめました。
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ちなみに、今回のセミナーは多くの美容学生にも情報は届いているはずなんですが、参加は0人でした。「お金をかけてまで行けない」という理由でバイトに行っている学生さんもいるのかも?そうだとしたら美容業界の未来が心配。「価値ある投資」ができていないのかもしれないからというお話もありました。これは学生の皆さんの責任だけではなく、指導する業界全体の問題なのかもしれませんが。
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いつも読んでいただき有難うございます。
本当に最後に。今日のブロー講習の様子を。技術については私では伝えることができないので写真のみ掲載しておきます。より詳しくお聞きしたい方、今回主催のCONCENTのカミムラヒデアキ氏に、直接お問い合わせください。貴重な機会にお招きいただいて、本当にありがとうございました!
http://www.concent-hair.com/
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