年末・年度末・決算月など、1年の締めくくりとしてスタイリストの「年間MVP」を決める!そんなサロンもあると思います。これまで私も多くのサロンのMVP選定サポートをしてきましたが、単純に「売上トップ!」というのももちろんアリです。
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しかし、本当に・・・
『売上トップ』だけがMVPでしょうか?
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スタイリストの皆様の中には、
「俺の方が〇〇では負けていないのに…」
「私は△△なら絶対に自信あるのに…」
そんな思いを持っているかもしれません。
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『全員が100%納得!』
そんな選定は難しいかもしれません。でも…
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少しでも“全員が納得できるMVP”を決めるために、以下の様な8つの数字を参考にしてみてはいかがでしょうか?
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①総売上(月間平均)
②指名売上(指名率)
③店販売上(店販率)
④新規リピート率
⑤新規以外リピート率
⑥VIP客単価
⑦VIP来店サイクル
⑧年間カルテ枚数
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以下、評価シートのイメージです。
これに前年の実績を入れても面白いです。
エクセルの原本は以下にてダウンロード可能ですが、わかりやすいようにサンプル数字を入れています。①~⑦の数字に対して、そのサロンの平均点を基準にして、5段階の“評価点”をつけています。5点×7項目なので満点は35点。売上順位が1位であっても、リピート率・客単価・来店サイクルなどの数字が低い場合、評価点合計では順位が下がることもあります。
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①~⑤については、美容サロンでは一般的な分析数値なので説明は省略します。ちなみに、指名売上・店販売上は、指名売上率・店販売上率を基準に評価点を決めています。以下⑥と⑦の数字について少し詳しく説明しておきます。
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⑥VIP客単価
⑦VIP来店サイクル とは?
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こちらは、サロン全体のお客様の中の上顧客10%のお客様だけについて分析した数値です。例えば1年間で1,000人のお客様カルテがあったとしたら、そのカルテを年間お支払い順に並べて、上位10%=100位までのお客様だけの客単価と来店サイクルを算出するということです。
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実は客単価と来店サイクルって、平均値より上回っているのは上顧客30%くらいまでなんです。これは、どんなサロンを分析してもだいたい同じで、店舗ビジネスのマーケティングではよく知られていることです。なので、平均値を見ても「どのくらい、単価アップ・来店頻度アップに取り組んでいるか?」の指標としては差が出にくいので、私はスタイリスト評価用の数字としては物足りないと考えています。
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サロンのPOSシステムで“デシル分析”という機能があれば、VIIP客単価・VIP来店サイクルはスタイリストごとにすぐ集計できます。とは言え、そういう機能が無いとか、そもそもPOSシステムを導入していない場合は難しいので、参考として普通の平均客単価と来店サイクルで代用してみてください。
他、各項目の評価点は、それぞれのサロンで基準を決めていただければよいと思います。そして、その合計点で最高評価を決める。さらに僅差の場合は、前年からの伸び率・新規客数・カルテ枚数で上位を決めることになります。
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どちらも大事なことではありますが、美容サロンを『リピートビジネス』としてとらえた場合は、やはり後者を目指すことが理想的な成長イメージではないでしょうか?
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若い頃はガムシャラに!
でも、未来の理想像は描いておく!
高単価!高リピート!高来店サイクル!
それを目指して売上アップしていくべき!
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評価シートをよく見ると、一番右端の「年間カルテ数」は、多いほどに売上が高いと言うわけではありません。
上図にも書いていますが、3人のスタイリストを比べると、まず評価点合計1位の鈴木A子さんは、月間売上150万でカルテ数は340人です。評価点合計は2位ですが、月間売上約190万と最も売上の高い山田B太さんは、カルテ数250人です。他、評価点5位の山本E子さんは、鈴木A子さんと同じ月間売上150万でも、カルテ数は400人です。
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デビュー当初は『より多くの新規客に入客して、どんどんお客様を増やす!』これがまず第一でしょう。しかし、1年、2年と経験を重ねることでリピーターが増え、さらには高単価で何度も来てくださるような上顧客も定着してくださるはず。そして、お店の新規客は若手スタイリストが入客することが多くなるので、以前のように多くの新規客でお客様を増やすわけにはいかない。
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だから、今度は『今の自分のファンとなってくださっているお客様に、何度も続けて来ていただける。その中で、少しずつ価値と高めて単価アップにつなげる。』という方向で成長を目指していく。そうするとリピーターで予約が先に埋まり、必然的に多くの新規客に入客する必要はなくなります。
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逆に、カルテ枚数が多いままで売上を維持(停滞とも捉えられます)している場合、実は「リピート率・客単価・来店頻度をアップできていない。」というケースを多く見かけます。多くの新規集客を続けられるなら、それでもよいかもしれません。しかし、個人的には『リピートビジネス』としての成長を目指してほしいと考えます。
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と言うわけで、
上記評価シートサンプルの
私が(勝手に)選ぶ2023年のMVPは…
山田B太さん
に決定です!
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評価点トップは鈴木A子さんで、年間売上トップは評価点合計11位の吉田F子さんです。ではなぜ山田B太さんをMVPに選出したのか?
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◎年間250人のお客様で、
月間平均売上190万になっている!
◎VIP客単価22,000円と圧倒的!
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上記2つが大きなポイントとなりました!
ベテランとして『若手の目指す未来の理想像』となってほしい。私はそういう思いでMVPに選びました。
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評価点トップの鈴木A子さんをMVPに選びたいという方もいるかもしれません。こちらのサロン内の背景として、山田B太さんはベテランで安定売上の基盤がすでにできているなら、成長中の鈴木A子さんをMVPに選んで、他の若い皆様のやる気を促す!ベテランの山田B太さんも、若手の成長のためならOK!となるなら、それもまたひとつの正解でしょう。
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売上トップの吉田F子さんをMVPに選びたいといういう方もいるかもしれません。もしかしたら、これまで何年も2位に甘んじていて、今年こそはと多くのお客様に必死で対応。そして、ついに山田B太さんを抜いて、やっとの思いで年間売上トップを獲得!だったのなら、それもまたひとつの正解でしょう。
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仮に表彰式があるなら、そういう理由を明確にして年間MVPを決めれば、他のスタイリストの皆様も「よし!俺はB太さんを目指そう!」とか「私は今はA子さんを目指すべき」とか「やっぱり売上トップにこだわるF子さんを見習いたい!」とか、色々な相乗効果があるはずです。
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売上部門・評価点部門など、それぞれを表彰しても、スタイリストとしては「色々な部分を見てくれているんだ!」と、やる気につながるかもしれませんね。
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田中優勝的、
サロンの年間MVP選出について。