業種としては、美容サロン専門のポスレジ屋です。が、セミナー講師・営業マン・情報発信・経営サポート・コンサルティングなどなど、色々と活動しております。詳しくは
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あるサロンで聞いたお話から感じたこと。
美容師として、きっと大きく成長できる貴重な30代!その30代を、本当に実力をつける働き方ができていない美容師さんが、実は今の美容業界に多いのではないか?そんなお話を書きます。
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1店舗を経営するサロンにて。
オーナーは、かつての後輩を中途採用。30代後半で40歳も見えてきた頃のそのスタイリストAさんは、これまで比較的リーズナブルな価格帯のサロンでの勤務をいくつか経験してきたとのこと。採用を決めたオーナーとしては以下の様な考え。
「少し一緒に働いたこともあるし、知らない仲じゃない。早くスタイリストデビューしていたし、いくつか経験してきたなら、少しくらい価格が変わってもウチのサロンの在り方になじむこともできるだろう。彼の今後を考えても、ある程度しっかりとした単価で働いていくことが大事になるはず。」
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きっとそのAさんも、ある程度は同じ気持ちや共感はあったはず。
「確かに、今まで数年でサロンを移ってきたけど、ここらでそろそろ自分の将来のためにもお客様をしっかり増やしていきたい!そのために、価格が上がってもそこでお客様にしっかりと納得いただける自分になっていこう!」
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入社して約3週間。オーナーの一言。
「ところで、前のサロンからのお客様は少ないんだね。そう遠くはなかったよね。」
Aさん。
「はい…そうですね。もう少し来てもらえるとは思ったんですが…」
「まあ、タイミングもあるからね。(それにしても、こんなに少ないものだろうか?)まだこれから来てもらえるかもしれないしね。」
「はい…」
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そして1カ月が過ぎたころ。
今度はAさんからオーナーに一言。
「あの…約1ヶ月で僕は新規を10人担当しましたけど、こんなものなんでしょうか?」
「まあ、ウチだとそんなもんだよ。スタイリスト3人で、俺は紹介しか新規は入らないし、集客サイトの新規とかは若い子にも多くつけてあげたいし。」
「そうなんですか。これからもそんな感じですかね?」
「まあ、そんなに急激に新規が増えるわけじゃないからね。必要なら集客の努力とかは一緒に考えようよ。」
「はあ…。」
「自分でもできることは考えてみて。また話す時間を作ろう!(前のお店から、自分のお客様がほとんど来ないのに、何を言ってるんだ。ちょっと失敗だったかな。)」
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そして、そろそろ新規集客も含めて、もっと一緒に頑張っていくために話をしようという1週間後!Aさんからのお話は…
「あの。オーナー、僕・・・」
「ん?どうした?これから頑張るためのアイデアとか考えてきたの?」
「いや…やっぱり辞めます。」
「えーーーーーーーーーーー!」
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Aさんの言い分はこうでした。
「今までのサロンでは、価格が安いとは言え、最初のうちは新規に50人くらい入れた。で、少しリピーターが増えても、少なくとも月30人くらいは新規に入れた。ここでは、これからも月10人くらいしか新規に入れないなら、いつになったら売上を増やせるようになるのかわからない。自分が成長できるかわからないし、こんなに少ししか入客できない日々が続くとやる気を維持できない。やっぱり、今まで通りの大型店で新規が多く来るサロンで、心機一転また何とかやっていこうと思う。」
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オーナーはこう伝えました。
「それは、本当に自分の将来のためになるの?それが嫌で、自分の実力をつけて、単価が上がってもお客様を増やせるようになりたかったんじゃないの?しかも、前のサロンからのお客様もほとんど来ていないし。心機一転とか言ってるけど、結局また同じことの繰り返しだと思うよ。それより、自分を本当に慕ってくださるお客様を増やす実力を地道につけるべきでは?40歳が見えている今、本当にそれでいいの?」
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結局、話し合いは平行線のままでAさんは、せっかく採用してくれた先輩のサロンを辞めることになりました。
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少々、やり取りの詳細は違う部分もあるかもしれませんが、だいたい上記のような流れのお話を聞いて、これはある意味では『美容業界の闇』なのでは?と感じました。
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今や、若い世代のお客様の一定数は「行きつけの美容室を決めたくない。毎回、違うところだから好きに言える。なので、いつもクーポンサイトでサロンを渡り歩く。」そんな考え方です。そういう回遊客を多く担当しても、なかなかリピーターになることはない。ただ、次から次にそういうお客様が新規で来れば、入客数は保てる。で、仮に個人契約や委託契約のサロンでは、歩合率が高いのでそれなりの手取り給与になる。そして、個人の申告としては生活にかかるお金を差し引けば所得は低くなるので、税金も多く払わなくて済む。それなりの生活ができてしまうんでしょう。
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そして、気がつけば30代後半。それなりに目先のお金が手に入り、それなりに美容師としての入客ができ、それなりに時間も自由に使える。結局、それなりの美容師として40代が近づく。そういう美容師さんが、実は増えているということを『美容業界の闇』と表現しました。
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これは、別にそういうサロン形態を否定しているわけではありません。様々なサロンの数字を見ている立場として、どんな形態のサロンでもやはりリピーターによる売上構成比を高く維持しているサロンでは、お客様・スタッフ・お店のニーズが一致している。そして、その中でしっかりと自分の在り方を持っていれば、そこで成長できる。
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でも、それぞれの環境で「それなり」を維持してしまうことは、結局は「それなりの自分」にしかならないでしょう。
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どこにいても、自分が・・・
「どうありたいか?どうなりたいか?」
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やっぱり美容室はリピートビジネス!
『常連さんで溢れる!』
そんな未来をイメージして成長を!
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最後は『暗い闇』ではなく『明るい未来』で締めくくりました。
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そんな想いも込めて『リピート』についての事例も詰め込んで書いた、私の初の著書『ゆるガチ集客』好評発売中です。
皆様のサロン、スタッフの皆様が…
リピートビジネスとして、地域ビジネスとして、教育ビジネスとして、より効率よく繁栄・成長されることを願っております。。