今日は『美容業界に物申す!』な感じで。
とは言っても、すべての人に物申すわけではなく、タイトルに書いた『新規リピート率を改善する気はない。失客が多いなら、その分を多く集客すればイイじゃん!』そんな風潮に物申したい!というお話です。何となく、今の美容業界的に、新規リピート率って30%台でイイんじゃないの?40%くらいあればいい方でしょ!みたいな見方もあると感じています。でも、実際には新規リピート率が50%!60%!70%なんてサロンもあるし、そんな美容師さんもいます!でも、なぜそこに目を向けないのか?危機感を持たないのか?そんな『物申す!』なお話です。
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まず5つのデメリットも含めた目次です。
①お金が余分にかかる。
②それが当たり前になる。
③成長を勘違いしてしまう。
④常連さんの時間も奪われ続ける。
⑤成長のための正しい未来を描けない。
○まとめと解決のヒント
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では、それぞれ書いていきます。
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①お金が余分にかかる。
これは、まあ当たり前ですね。中には、大きなコストをかけずに多くの新規集客を実現できているケースもあります。しかし、今の美容業界には色々な集客ツールがたくさんあるので、外部サービスにお金をかけることで、時間と手間をかけずに多くの新規を集めていることがほとんどです。(そのサービス内では時間と手間はかけているかもしれませんが…)
そして、その過程で『新規リピート率をアップしよう!』という取り組みが軽視されます。冒頭に書いた『新規リピート率が低いなら、その分多く集めればいいじゃん!』という解決法を選択するということ。これは、お金で時間と成果を買うという経営戦略の中の選択肢1つではあります。しかし、言い換えれば「お金によって、自分で考えることを放棄している。」そう表現することもできます
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②それが当たり前になる。
で、それを続けることが成果を出しているということになる。
リピートしないお客様を多く集め続けているのか?リピートするように努力することを放棄しているのか?そもそも、リピート率を上げるということが、経営戦略の中では優先順位が低いのか?
そんな状況が当たり前になることは、サロンにとっても美容師さん個人にとっても、非常に危険な状況を繰り返しているのではないでしょうか。新規リピート率をアップするヒントって、本当に身近にあるんですけどね。
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③成長を勘違いしてしまう。
この「勘違い」は、最後の⑤にもつながります。若い美容師さんにとってもそうなのですが、キャリアは長いけどイマイチ成長スイッチが見えてこない。そんな方にも考えてほしいです。
例えば、毎月100人のお客様を担当するとします。そして、その内30人は新規。ということは、リピーターは70人。このくらいの状態を長く続けているケース、実は多くあります。仮に客単価¥7,000なら月間売上70万くらいを維持している状況です。
100万以上になってさらに成長できる人って、きっと新規客数比率は10~15%くらいでも、リピーターさんのリピート率が高くなり、徐々に信頼も高まるから客単価も上がり、多くの新規に入れなくても、新規のリピート率も上がる。そんな状態ができているはず。で、自然とリピート率を意識しているはず。
でも、70万くらいで毎月100人くらいって、わりと自分やってるじゃん!って感じてしまいがちな数字のバランスでもある。
そんな状態が続くことで『勘違い』してしまうのかもしれません。
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④常連さんの時間も奪われ続ける。
これは、本当に隠れた利益損失なので、なかなか気づかれていない。というか問題視されていない。予約を新規で先に多く埋めると、その後常連さんが同じ時間に予約したいと伝えられても、当然先に延ばすか断るしかない。これで、常連さんの来店サイクルも長くなり、場合によっては「あそこ、電話もネットも、いつも行きたい時間に予約できないのよね。」という隠れた不満により失客する。
新規優先の予約って、常連さんを大切にするということからは、まったく逆の行動になっています。もちろん、新規を担当することは大事です。しかし、先に常連さんを優先して予約して、次に空き時間に新規が入るという考え方(もはや忘れらているかも?)を失うこと、それは目先の数が増えていることで、常連さんの来店最適化ができていないという状況になります。と言うか・・・“状況になります”ではなく、自らそんな状況を作っていると言えます。
この『常連さんの来店最適化』本当は、最優先で考えるべきなんですけどね。
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⑤成長のための正しい未来を描けない。
このことについては③でも関連すると書きましたが、実はこれまでのすべての内容につながります。
新規を多く集客し続けるコストを、当たり前のことと思い感謝もせず、勘違いしたままで多くの新規を担当できることに慣れてしまい、常連さんが本当に来たい時間を失っていることをそのままにして、それでもある程度の売上が維持できているから「まあ、それなりにやれてるよな!」と思ってしまう。そんな美容師さんが増えてしまうこと、美容業界にとっては本当に危険なことです。
かつては「目指せ!200万スタイリスト!」とか、むしろ通過点のように言われていた時代もありました。それはそれで、個人の力に頼り過ぎて組織的なサロン経営ではないという見方にもなりました。でも、やはり「何度も来ていただける。」さらには「美容師であるかぎり、ずっと担当させていただける。」そんな未来をイメージすることなく、美容師としての日々を過ごすこと。それは20年間美容業界に関わっている身としては、やはり悲しいと表現せざるをえません。
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まとめと解決のヒント
実は、今日のお話は、あるサロン様のデータ分析サポート後に書こうと思ったです。Twitterで、以下のように投稿しました。
このコロナ禍の中で、年間新規客数は15%(実はもっと)も減っています。でも、顧客リピート率・来店サイクル・客単価のアップと言う、お客様との信頼によって成果となることを、着実に積み重ねてきたからこそ、年間通して売上はほぼ前年の実績を維持。という結果を残すことができています。
ここからは、私の経験値による感覚も含めての話になりますが、新規客数比率20%以上で、なおかつ新規リピート率40%以下という状況が当たり前のサロンは、きっとこのコロナ明けが近づく状況でも、5月・6月の業績回復が遅れているのではないでしょうか?
逆に、常連さんを大事にしつつ、新規リピート率の悪化を課題と考えているようなサロンは、地域と共にリピーターさんに愛されるサロンとして、復活(というより、リピート産業として当たり前の状態に戻る)の兆しを見せていると感じます。
本当は、新規リピート率だけではなく、既存客リピート率を把握しておかないと、確実な問題解決にはつながりません。ですが、あえてわかりやすくて手書き管理でも把握できる『新規リピート率』をタイトルに書かせていただきました。
そして、新規リピート率を含め、売上・客数というシンプルな数字以外のデータは、実は外部にお金をかけなくてもカンタンにアップすることができます!そのヒントを見つけることができるのが『共有ごと発掘会議』なんです!
今日サポートさせていただいたサロン様は、同じメニュー・エリア・イメージで、3店舗を展開されています。でも、その中でホトペ新規リピート率は、スタイリストによっては60%の人と30%の人がいるんです。紹介新規リピート率は70%の人と45%の人がいるんです。
であれば、良い成果を出している人がやっていることで、そのサロンなら誰でもできそうなことが見つかったら、それをみんなでやってみればいいんです。これで、本当に新規リピート率はアップできます!他の数字についても同じです。売上を構成するデータを分析して、良い成果を出している人の行動を明確にして、誰でもできそうな仕組みにしてサロン全体で取り組む。
そういう内部強化こそが、本当に強い美容室経営への近道では?5月・6月に業績回復しているサロンから、改めて大事なことだと感じ、今回のお話をまとめました。
『美容業界に物申す!』
そんな大げさな内容ではなかったかもしれませんが、改めてお伝えしたい想いを書かせていただきました。1つでも、今後に活かせるヒントになれば幸いです。
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そんな感じで、美容業界オンリー20年の思いを載せた著書『ゆるガチ集客』は、以下より購入できます!
皆様のサロン、スタッフの皆様が…
リピートビジネスとして、地域ビジネスとして、教育ビジネスとして、より効率よく繁栄・成長されることを願っております。。