今日は新規客への対応について。
『本当にそれでイイの?』的なお話です。
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新規のお客様に『はい!ではご希望通りに!』と答えて施術開始。よくあるケースというか、それが当たり前と思っていらっしゃる方も多いですよね。
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しかし、それって新規のお客様に対しての本当にベストな対応なのでしょうか?美容業界全体で新規のリピート率が30%前後と言われている今、この『はい!ではご希望のクーポン通りで!』が、実は失客の原因になっているのでは?と、考えてみたことはありますか?もしかしたら、そのお客様が選んだクーポンは、お客様の『本当になりたい自分!』には、合っていないんじゃないでしょうか?
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リピート率30%ということは、逆に70%の新規客が「ここも私の期待しているサロンじゃなかった。次はどこに行こうか?」と思っているということ。では、どうすればリピートしてもらえるのか?これまでのサロンデータ分析とサロンサポートの事例から、リピート率アップのヒントを書いていきます。
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まずは、新規リピート率について改めて考えてみます。弊社のサロンシステムの分析表の『新規定着率分析』という資料を参考にします。
新規集客については「如何に多く集めるか?」ということへの注目度が高いと思います。でも「如何に多くリピートする集客をするか?」も大事ではないでしょうか?
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上図では1ヶ月間にホトペ新規が62人来ています。1年後に、そのホトペ新規客の2回来店率を見てみると16.12%。逆に言うと83.88%の失客です。83.88%の人が『次は来ない。』と言っているんです!だったら、それは新規客への対応が何か間違っているのでは?そう考えることもできます。
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ちなみに上図の分析結果のサロンの中でスタッフごとに分析すると、実はホトペ新規リピート率50%のスタイリストさんがいらっしゃいました。それをどう考えますか?
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「たまたまでしょ!」
「ベテランの経験値の差でしょ!」
「デキるスタイリストなんでしょ!」
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これでは次の成長につながらない。
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せっかく良いヒントが身近にあるかもしれないのに、個人差という見方で掘り下げようとしないのは、本当にもったいないです!では、どうするのがよいのか?
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リピート率のよいスタイリストに…
『ホトペ新規のお客様に、どんな接客対応をしているんですか?他よりリピートが良くなるための、自分なりのコツ・アイデア・工夫ってあるんですか?』
と質問してみるんです!
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そこで見つかったアイデアを1つご紹介!これ、本当に『なるほどー!』ですよ!
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ホトペ新規リピート率の高いAさんは…
『本日は、ご来店ありがとうございます!ちなみに、今回お選びいただいた“カット&ツヤカラー”のクーポンですが、なぜこちらを選ばれたのでしょうか?』
と、まずはそのクーポン(サービス)を選んだ理由を尋ねるそうです!
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お客様が以下の様に答えたとします。
「実は、これから徐々に髪を伸ばしていきたいと思っています。で、カラーもしたいけど痛みも気になっています。で、全体的に落ち着いた色でキレイに伸ばしていきたくて、ツヤカラーという言葉が気になってコレにしました。」
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その“カット&ツヤカラー”クーポンは、実は初めてのカラーでショートカットには向いているが、ダメージケアしながらロングにしたいお客様には向いていない。なので、こう答えることができたとします。
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『なるほど!キレイに落ち着いた感じで伸ばしていきたいんですね!(と共感する。)そうなると、実はお選びいただいた“ツヤカラー”は、初めて明るめのカラーをする方にオススメのクーポンなんです。なので、今回のご要望でしたら当店の“カット&サラサラカラー&トリートメント”の方がオススメです!(と提案する。)ただ、こちらのクーポンは¥500だけ高くなってしまいます。どうされますか?』
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お客様の反応は・・・?
「そうなんですね!だったら、そのオススメの“サラサラカラー”にします!」
だからまず『尋ねる』ことが大事なんです!そして、新規のお客様の本当の「なりたい=ニーズ」を引き出し、それに対応できるメニューを正しく提案する。リピート率アップしそうじゃないですか?
実際にこのヒントを参考にして、新規客への対応方法を変えたサロンでは、1年後にホトペ新規リピート率が2倍になりました!20%が40%になったとしてもバカにできません!リピート率が2倍になるって、積み重ねるとメチャメチャ大きな成長速度の差になりますから!
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他、新規リピート率が高い美容師さんは、以下のことをお客様に尋ねていました。
◎前のサロンで不満だったことは?
◎ホトペ以外でも自店を見ていたか?
◎誰かから評判とかを聞いていたか?
◎指名の場合はなぜ指名いただいたのか?
質問で隠れたニーズを引き出しています!
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こういったニーズの引き出し方を、それをスタイリスト個人の工夫ではなく、サロン全体で共有できる取り組みとなるように、明確にしてみんなで実践してみる。非常に大事ですね!このように実際にデータ分析で良い結果を出している人を見つけて、サロン全体で共有する取り組みを、私は以下の様に名付けています。
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【イイこと共有発掘会議!】
美容室の成長に実はメッチャ効果アリ!
※過去記事もご参照ください。
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この記事を書いている今は12月。1年の中でサロンの最大の繁忙期の1つ。常連さんで予約がいっぱいで、新規のお客様を受け入れる時間が無い。今がそういう状況であることが理想ですね。
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常連さんにしっかりと向き合って、今年1年の感謝を伝えてください。そして、また来年からの新しい取り組みとして、新規客への対応について少し考えてみてください。
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『はい!ご希望のクーポン通りで!』
を続けるのか?
『なぜこのクーポンを選ばれたのか?』
と尋ねてみるのか?
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やるかやらないか?は自分次第です。
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同じようなことを何度も書きますが、今が新規リピート率30%なら、逆に70%の新規客は「もう次は来ない!」と言っているんです。70%が来ないという対応をこれからも続けますか?
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ほんの少し変えてみてください。