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近年「お客様がいても美容師がいない。」そんな状況によって、現状維持から衰退に進んでしまうサロンも多いのではないでしょうか?そして、以前から働いてくれているスタッフが「育たない」。結果、ベテランのみになる。そして、独立だったり、引き抜きだったり、フリーランスになったり、今は「働き方」が選べる時代です。1つの小規模サロンで働き続ける理由が、よほど明確でなければ、企業としての成長が難しくなってきています。
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ちょっと過去を振り返ってみます。
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今から約20年前、カリスマ美容師ブームで「美容師になりたい!」という学生が急増!当時は、全国で3万人以上の美容学生が、全国の18万軒の美容室に就職したい!という状況。有名サロンではなくとも、新卒は美容室が選べる!立地によっては、見学に行列ができるほど!まさに「篩いにかける」状態で、新人は安い給料で雇い、育たなければ辞めてもかまわない。技術は盗め!教育や教材費用は自腹!生き残りたいなら寝ずにやれ!そんなことが当たり前だったのではないでしょうか?私自身、24歳の営業マン時代は、モラハラ・パワハラあたりまえ!(そんな言葉さえも存在しなかったかも?)歩け!動け!飲め!黙れ!やれ!そんな経験もしてきました。
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それが今や、全国で2万人以下の美容学生が、23万軒の美容室に就職しようとしています。中には「メイク・マツエクに進みたい」と、美容室を選ばない場合も。そして、福利厚生なども充実させて❝企業として成長している大手❞に、優秀な学生はどんどん就職を決めていく。で、残った人達をいわゆる「町の中小規模サロン」で取り合う。20年前に比べると、求人倍率は2倍以上、いや3倍になっているのではないでしょうか?
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約10年前に、とある九州のサロンオーナー様に久々にお会いした時、私は「美容学生の新卒採用がこれから大変になっていく。」というお話をしました。で、そういう新卒採用を支援するビジネスも生まれていると。すると、当時はこんな言葉が返ってきました。
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「田中さん、何言ってんの?もっと郊外の小さいサロンなら、それもあるかもしれないけど、ウチのサロン〇〇(中心部の有名立地)にあるんだよ!何で、新卒学生を確保するために、わざわざお金を払うの?」と。
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しかし、今やその有名立地でさえも、大型店も小型店も新卒採用にも中途採用にも困っているという状況。約3年前に、そちらのサロンに訪問した際に「いや~。今は『集客よりもスタッフ確保が大変』だね…」と。求人の広告媒体も誌面もWebも、効果が下がってきているんじゃないでしょうか?
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そんな感じで激変している中、私と同世代か年上のオーナー様とお話していると、こんなお話が良く出ます。
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「今の若い子たちって、みんな『俺が一番になってやる!』とか『有名になってやる!』みたいなのがいないよね。」と。
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でも、これって実は『やる気の表現方法が違う。』とも言えるのかも?この記事、参考になりました。
何となくわかりますが「お前、何そんなに頑張ってる感を見せちゃってんの?」って、周りに言われた経験ってありませんか?この便利な時代には、そんな「頑張ってる感」が、からかわれる要素になっちゃうんです。
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少し話が逸れますが、高田純次・長嶋一茂・羽鳥慎一のテレビで「エロがなくなったら終わり」と熱く話している中で、高田純次が「女性の裸や水着が、すぐスマホで見れちゃう!俺たちは、何とかしてコッソリ見る方法を考える!もう必死だよね!見れちゃうってことは、手に入ったって満足しちゃう。だから、草食系とかってなっちゃうんじゃないかな?エロ自体を望んでいないわけじゃないんだけどね。」とか言っていました。
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決して、頑張っていないわけではなく、身の回りにあるツールが急激に進化しているから、モノも情報も手に入れやすい。その『手に入れやすさ』を使うためには頑張っている。でも、その『手に入れやすさ』にイマイチ追いついていないオジサン世代は「何でもカンタンにできるからって、頑張らないんだよな~」と言ってしまう。いつの時代でも世代間のギャップは生まれるものです!
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私、今でもサッカーチームで20歳くらい年齢の違う若者たちとプレイします。もう、プレースタイルも教わったことも、時にはルール改正でサッカーそのものが違う!そこでは、いくら『俺達の時代は…』なんて言っても、私が『異物』になるわけです。柔軟に対応しないと一緒にプレーできません。
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そんな感じで、仕事も店内もお客様もスポーツも、若者世代と融合して「若い人たちが頑張りたいと思える場所を作る」ということが、成功のカギなのではないでしょうか?むしろ、若い人たちの方が身の回りにある便利なツールの使い方に長けています!そういうのを素直に「オジサンにも教えてよ~!」くらいの姿勢がちょうどよいのかも?でも、オジサン世代の❝芯❞はしっかり持っておきたいですけどね!
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オジサンは年取ると戦力になりにくいですが、ママさん美容師の方々は、これからの時代にはメチャクチャ重要な戦力になるはず!ママさんって、子育てや多くの経験で「酸いも甘いも」乗り越えて来ています。ちょっと調子に乗ったオジサンを上手に転がすのも、若い人たちとの関わり方も、もちろん同世代のお客様とのおつきあいも、人間的に非常に高いレベルでやれるし、共感できる人が多いはずです!世代間の融合をかなりサポートしてくれる人財です!
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で、そんな世代間の融合に遅れていると、求人・育成が進まない。そして、❝人との連鎖❞が加速する今の時代に遅れてしまう。で、最初に書きましたが「集客はできても、働く人が集められない。」と言う状況になり、結果的に縮小していく。という流れになっていくのではと思います。そういうことの加速、何とかして引き留めていきたいですね。
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という訳で…「大予測」と言いつつ、過去・現在・未来、みたいな内容になりましたが、「求人・育成」が、人との連鎖と加速して困難になっていく時代に「できること」を、私なりに箇条書きにしておきます!特に、中小規模サロンの皆様が成長していくためには「地道な努力」が重要になっていきます!
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【若い世代との融合に必要なこと】
*まずは「認める」から始める。
*自分のことを話す前に「聞く」
*改めてお互いの自己紹介をする。
*素直に「教えて!」と言う。
*たまには❝同じ立場❞で一緒に遊ぶ。
*ここは「イイところ!」になる。
*ママさん達の❝復帰組❞を大事にする。
*俺達の頃は~を、自分からは言わない。
*それぞれの「働き方」を作る。
*スタッフの出身校に改めて挨拶に行く。