ホットペッパービューティー(以下HPB)への掲載をご検討の全国のサロン様へ!お得で賢く上手な掲載・活用方法、知りたくないですか?そんな5つのポイントを私なりの見解でご案内します!
長年サロン現場で、リアルな美容室のデータを見てきたサロン専門ポスレジ営業マンとして『リピーター最優先』であることを忘れずに、むやみに集め過ぎない『有効な新規客獲得』についての考え方をお伝えします!「とにかく多くの新規客を獲得したい!」「高めの掲載プランで誰でもいいから来てほしい!」という考え方ではありません。なので、この時点で目的が違うと感じた方には、これからの約7000文字の濃い目の文章は、あなたにとってオススメの内容ではありませんのでご了承ください。
①掲載プラン上げられるが下げられない!
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ちなみに、HPB掲載料金の詳細をWeb上で公開することは、サービス提供元であるリクルート社から禁止されているそうです。大まかに、プラチナ・バリュー・シンプル・ライト・ライトSと案内されています。
掲載費は月々5万~50万前後と、プラン内容によって大きく異なります。一般的には、掲載費用が高い方がHPB内で上位表示されますし、集客力も高まると言われています。掲載キーワード等を色々と工夫することで、掲載プランが低くても表示順は変わってくるそうですが、ここでは詳しくはご案内しません。ちなみに、一般の営業資料には掲載されていないEPRPという月3万以下の掲載プランもあり、さらには無料掲載というプランもあるそうです。聞くところによると、ライト以上のプランを掲載後、掲載しなくなるよりはいくらかでも情報を残しておきたいという場合に、EPRPや無料掲載プランが利用できるそうです。ブログ表示なし・写真掲載数が少ない・サイト内での表示順が低い・クーポン掲載数が少ない等、色々と制限はあるらしいですが、不特定多数ではなく「アナタのサロンに行きたい!」というお客様を集めたい場合には、工夫次第で費用対効果もよく、色々と使えるプランになります。
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ここで改めて、掲載プランは『上げられるが下げられない』ということについて。例えば、ライトS5万/月(プラン名や月額は例として参考程度に書いています。)という内容で掲載を検討しているとします。ここで、営業さんからは「もう1つ上のプランなら、1年契約で安くなりますよ!」と案内されることもあるはず。でも、1年契約の場合は途中で『もっと集客効果を高めたいから、月10万のシンプルにしたい!』というプランアップはできても、逆の『今の集客で充分になってきたので、月3万のEPRPで少し落ち着かせたい。』というプランダウンはできないんです!
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長年お取引いただいているサロン様では、いつも契約期間は必ず半年にされていらっしゃいます。サロンの現状・スタイリストの成長スピード等に合わせて、柔軟に集客コストを変更できるように、契約期間は短くしておく。状況に応じて柔軟に対応するためにも大事なことですね。仮に毎月20万のプランで1年契約だと月2万安くなる!と言われて契約した後で「スタイリストが体調を崩したり退職したり、新規を集め過ぎてもお店が回らない!」という状況になっても、月5万のプランに下げられないと、月2万のお得なんで全く意味がなくなりますから!長期契約がお得!には、何でもウラがありますのでご注意ください。
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②ネット予約手数料2%はチリ積で発生!
次は、まだまだ意外に知られていない『ネット予約手数料』について。HPBの管理画面『サロンボード』では“当月付与ポイント(請求予定金額)”と記載されています。例えばお客様が¥10,000のメニューでHPBネット予約してご来店いただいた場合に、¥10,000の2%=¥200をネット予約した手数料として請求しますということです。これは、掲載費用とは別に発生します!新規のお客様が¥10,000で30人=30万。その2%なら¥6,000と言う感じです。
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まあ、そのくらいならイイかな?と思いますか?これがホントにチリ積で馬鹿にできないんです!HPBに掲載すると、SEO検索では圧倒的なので、Web上では自社のホームページより上位表示されます。そこで、仮に既存のお客様も『あ!テレビでも良く見るHPBにも掲載したんだ!ネット予約もできて便利!』と感じることもあるはず。そんな既存のお客様のHPBネット予約もどんどん増えたら?仮に1ヶ月で200人×¥10,000のHPBネット予約なら、その2%は月4万です!毎月の掲載費用以外に、ネット予約の手数料として月4万って高いですよね?1店舗の小規模サロン様でも、実はこのくらいを特に気にせず払っているケースも多いです。
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なぜ?それは、サロンボードの管理画面で、上記の『ネット予約手数料』=“当月付与ポイント(請求予定金額)”と、後で返ってくる“当月利用ポイント(振込予定金額)”が同じ列に並んでいて、あたかも相殺されてあまりコストがかかっていないように見えるからです。掲載されたことの無いサロン様には「?」なお話だと思います。この“当月利用ポイント(振込予定金額)”とは、お客様が他のお買い物等で貯めたリクルートポイント・ポンタポイント等をサロンでの支払いに使った場合に、後でリクルート社がサロンに返してくれるお金です。なので、本来は現金やクレジットでサロンに払うはずのお金を、リクルートポイントで払ったのでその分が戻ってきているだけです。得していませんからね!ネット予約手数料=付与ポイント(請求予定金額)と、相殺されていませんからね!
このことは勘違いされている方が本当にまだまだ多いので、掲載前の皆様は特にご注意ください!見えにくいコストもしっかりと把握して、ご利用は計画的に!
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③HPBネット予約以外の入り口は必須!
上記②のネット予約手数料についてのお話で、お客様がHPBネット予約を多く利用するほど、サロンではコストがかかることはご理解いただけたのではと思います。なので、HPBネット予約以外の窓口は、絶対にあった方がイイです!仮に、サロンオープンからHPBネット予約のみでサロン運営していたとします。1年後に月間売上300万程度になり、既存のお客様も多く増えてきた。しばらく新規も多く集客する必要が無いので、HPB掲載プランを月10万から月3万程度に変更した。でも、ほとんどのお客様がHPBネット予約を利用。300万の2%=6万のネット予約手数料が毎月かかる。何と!掲載費用3万の倍近いネット予約手数料になります!
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「まぁ以前からHPB使っているし、全てサロンボードで管理しているし、お客様も便利ならそれでいいんじゃないの?」
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そんな考えが多いのも美容業界の現状!
でも、それって『思考停止・企業努力放置』だと思いませんか?HPBのネット予約を経由しなくても、アナタのサロンを好きで通ってくださるお客様が、これまでの頑張りで増えてきているんですよ!そういうお客様を優先して、HPBネット予約以外からも予約できるようにすれば、常連さんのための時間をしっかり作れます!メニューアップもしやすくなるし、来店サイクルも安定します。それを「サロンも楽だし、お客様も便利だと思うし。」と、放置しておくことはコストのムダを生み出していて、常連さんの本当のニーズに応えられていない可能性もあります!場合によっては、大事な常連さんの失客につながっていることもあります!そんな問題を解決する、HPBネット予約以外の入り口とは?
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◎次回予約!
◎自社ネット予約!
◎インスタ連携予約!
◎Googleマップ連携予約!
◎LINE連携予約!
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色々と工夫できることはあります!
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上記のサービスをサロン専門ポスシステムとの連携で利用したとしても、月2万~3万くらいの費用です。ある程度の規模になってくると、そういう投資によってリピーターの予約・来店を最優先する体制を作ることも重要です。まあ、小規模1店舗のサロンでしたら、新規はHPBネット予約で、リピーターさんは次回予約にする。で、管理面でサロンボードは使い続ける。そんな方法もアリでしょう。さらに、多くの新規集客が不要になったら、HPBは無料掲載プランに変更する。それが最もコストがかからない賢いやり方かもしれませんね。
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実際に以下の様なケースもあります。
1店舗でHPB無料プラン(ネット予約アリ)によって新規が毎月5人程度ご来店。他に飛び込み来店や紹介新規もあるので、月10人程度の新規客は見込める。毎月の総客数は200人前後。リピーターの8割は次回予約。HPBネット予約手数料は月1万程度。ポス機能はサロンボードを無料で継続利用。私たちサロン専門ポスレジ屋にとっては、弊社ツールが活躍する場が無いので悲しいですが、これも今の美容業界での賢いサロン経営のひとつかもしれませんね。スタイリストが1人とか2人なら、個人の力で顧客を囲い込み、管理ツールへのコストは最小限に抑えられると思います。
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以下、HPBネット予約以外の予約の仕組みやツールについて、それぞれ関連記事もリンク貼っておきます。気になる機能・サービスがありましたら、是非お問い合わせください。
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④充実させるのは“新規用メニュー”だけ!
この“新規用メニュー”だけを充実させるというのは、リクルートさんが提案してくることはまず無いでしょう。HPBネット予約が増える方が確実に利益も多くなるし、サロンボードのみでサロン管理している場合には、むしろマイナスになる利用方法ですから。では、なぜ私は“新規用メニュー”だけの充実をオススメするのか?主に2つの理由について書いていきます。
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既存客のHPBネット予約さ増やさない!
これは②③でも書いていますが、リピーターもHPBネット予約を多く使えば、それだけネット予約手数料2%が多くかかってしまうからです。そして、新規客もリピーターも予約の優先度が同列になってしまうからです。
改めて考えてみてください。元々、HPBは新規集客のために使い始めたはずですよね?でも、ほとんどのサロンが「せっかく掲載するなら、サロンの情報は正しく多く掲載している方がいいですよ!クーポンも色々なお客様が使えるように、たくさん載せておきましょう!HPB内で表示数を上げるには、予約を含めアクセス数が高い方がイイですから!」という、HPBの営業さんの提案の『言いなり』になって、何となく既存客にも便利な内容にしてしまっているんです!とことんHPBの中で上位になりたいなら、その提案を受け入れることは間違ってはいません。
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でも、多くのサロンは地域密着でリピーター・常連さんに支えられています。年間売上の90%はリピーターの来店で作られています。リピーター・常連さんは、HPBありきで何度も来ているわけでは無いですよね?だったら、なぜわざわざHPBに掲載料と予約手数料2%を払い続けて、さらに“お得”を求めていない人にまでクーポンをオススメして、既存客のHPBネット予約を増やし続ける提案の言いなりになるんでしょうか?
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答えは『管理が簡単でラクだから』ですかね?その『ラク』によるコストは、本当にサロンのため・お客様のためになっているんでしょうか?特に、自社ネット予約システム・一元管理のサービスを使っているサロン様は、HPBネット予約を減らす方法はたくさんあります!『ラク・言いなり』で、ムダを増やし続けるのはやめましょう!アナタのサロンが気になったお客様・好きになったお客様は、通常メニューは自社ホームページでちゃんと見てくれますから!HPBは、有効な新規客を集めるツールとしてのみ、とことん活用するべきです!
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HPB以外の集客も正確に把握したい!
これも多くのサロンにありがちなお話です。皆様がWeb上で、自店・自己発信して頑張っているメディアは色々とありますよね?ホームページ・インスタ・ブログ・LINEタイムライン・GoogleMapなどなど。でも、その自分たちの努力の集客成果まで、すべてHPBネット予約に流入させていませんか?それだと、新規集客がすべてHPBのおかげ!というレポート結果になってしまいます。そして、そのレポート結果によって『やっぱり新規集客効果は高いんだ!これは、今まで通り続けるべきかな?又はプランアップかな?』という考え方になってしまいます。
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③にも書いたように、美容室の予約という入り口は、様々な仕組み・ツールで増やすことができます。それぞれの自己発信メディアからの集客は、きちんとHPB集客と分けて集計・分析できるようにしておくべきです。私たちはデータ屋なので、お客様がご来店時にHPBネット予約していても、その最初の来店動機を正しく聞いてもらうことで、新規集客をより正確に分析し、さらにどんな新規集客のリピート率が高いのか?まで知ることができます。ある調査で、新規のお客様に「当店を最初に知ったきっかけは?」というヒアリングでリピート率を調べた結果、HPBのみがきっかけで来店された新規客よりも、他にインスタ等も見ていた複合的な来店きっかけだったの新規客の方が、リピート率は2倍以上高かった!というデータもあります。
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ただ、確かHPBでは既存客用のメニュー・クーポンは、最低1つは表示する必要があるかもしれません。なので、季節イベントで必要そうな情報とか、一度は誰にでも試してほしいメニューとかを、全員クーポンにしておくのは良いかもしれませんね。メニューは、セット・メイク・着付け・指名料とか、リピーターさんが選んで予約することはほぼ少ないけど、一応載せておいた方がよい程度の内容にしておく。実際に、神奈川県のサロン様で「HPBには再来クーポン無し・メニューはカラーリタッチのみ掲載」という例もあります。
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あと、新規クーポンがやたら多いのも個人的にはオススメしません。お客様は初めて行くサロンのメニューについて、きっとほとんど内容はわからないはずです。多いほどに迷ってしまい、自分の本来のニーズと違うクーポンを選んでしまう可能性が高くなります。なので、有効なリピートにつながる新規客を集めるためには『当店に初めてご来店の方には、コレを是非試してほしい!』というクーポン内容で10個以内にするべき!データ屋視点では、クーポン数が多いほど失客率も上がる傾向にあると感じています。
⑤集め過ぎは常連さんの来店機会損失に!
最後です。これは定期的に分析データを見ていないと、ほとんどのサロンでは気づかないし、明らかにならないことです!新規客を多く集め過ぎていて、誰でも平等にネット予約できるということは、実はアナタのサロンを本当に気に入っていて、何度も行きたいと思っている常連さんが、実は最適な来店サイクル・メニューでご来店いただけていない!という状況を自ら作っているんです!
例えば、月間来客数のキャパが300人のサロンがあったとします。『毎月の新規は100人前後!新人の入客も多いサロン!』という感じで、求人には効果的かもしれませんが、大まかに言えば総客数の30%以上が新規客です。これは、明らかに常連さんが「本当は行きたい日時」より先に、多くの不特定多数の1回きりかもしれない新規客が、ある意味“平等”に予約できてしまっているということです。別の言い方をすれば、お得を求める1回きりの新規客によって、常連客の時間を奪っているということ!常連さんと新規客は、平等ではなく“公平”に対応すべきなのではないでしょうか?
データ屋としての経験で考えると、地域密着店として、リピーター・新規・集客コストのバランスが良いサロンは、月間の新規客比率が15%前後です。300人の総客数なら、45人の新規客と言うことです。もっと新規客比率が少なくても、地域密着店として長く繁盛しているサロンもあります。どのサロンにも、サロンの成長・発展に合った『最適新規数』があります。それは、地域・スタッフ数・成長スピード等の状況によって変わってきます。ただ、近年の美容業界では、そもそもの既存客の『来店最適化』を目指すよりも、新規客を『とにかく多く集める』ことの方が優先されがちです。
今回のお話を書くきっかけは、あるサロン様とのホームページ制作についてのお打合せでした。これまでHPBに掲載されたことは無いそうなのですが、今後はスタッフのことも考えて新規集客のために検討中とお聞きしました。そこで、大まかに今まで他のサロン様で聞いた事例や、HPBの仕組みについて少しお話ししました。すると「思考停止って怖いですよね。」というご意見が返ってきました。
正直なところ、今の美容業界では『多く集めるのが正義!成功!』みたいな風潮になっていると思いませんか?これは「正解でもあり間違いでもある。」と私は思っています。店舗展開・企業発展・成長スピードは、目指すサロンのカタチ・方向性によって様々です。ですが、何となく『業界で有名で目立っているサロンが、やっぱり新規はHPBでしょ!って言ってるし。それなら、そのまま言う通りに乗っかろう!』というのは、地域密着・小規模サロンにとっては、データ分析してみると逆に大きなダメージになっているケースもあります。なので、費用対効果をしっかりと考えて、掲載プランを検討してくべきです!